2018法桜祭「学生フォーラム」発表


日本大学法学部では、2018年11月2日(金)から4日(日)にかけて、「法桜祭」を開催しました。荒井ゼミでは、この「法桜祭」のイベントのひとつである「学生フォーラム」において発表を行いました。

発表のタイトルは「若者の政治参加」です(概要を下に記しておきます)。大勢の方々にご来場頂きました。学生たちも、前学期の終わり頃から、夏休みの合宿、後学期の前半にかけて作業してきた内容について、パワーポイントを用いてしっかりと発表してくれました。質疑応答では、フロアからいくつもの鋭いコメントや質問があり、ゼミ生もしっかりと答えていました。

自分たちで、テーマを決め、そのテーマを論じるための構成をつくり、各班で調べた内容をまとめ、そして聴衆の前でプレゼンテーションをするという、学生にとっては大変に貴重な経験を積むことができたと思います。フォーラム終了後には打ち上げを行い、学生たちは準備作業から当日の発表までの苦労を互いに労っていました。


「若者の政治参加」概要


近年、政治参加に関してしばしば指摘されているのが、若者の政治離れや政治的無関心という問題である。

若者の政治参加を促すことを目的として、2015年には、選挙権年齢の引き下げに関する法律の改正が行われた。そして、2016年の参議院選挙から、選挙権年齢は20歳から18歳となった。

しかし、2016年の参議院選挙、2017年の衆議院選挙の投票率を見てみると、選挙権年齢引き下げによって若者の政治離れが解消した、とは必ずしも言えないものであった。

そもそも、選挙権年齢の引き下げという制度変更は、

1)どのような経緯で実現し

2)政治的アクターたちはどのように行動したのか

3)制度変更の企図はどこまで実現しているのか、実現していないとしたらその原因はどこにあるのか

4)若者の政治参加を促すため必要なことは何か

このような問題意識をもって、選挙権年齢引き下げに焦点を合わせながら、発表を進めていく。

本発表では、選挙権年齢引き下げをめぐる問題に焦点を合わせながら、若者の政治参加について考えていくが、その際の分析の枠組みとして、次のようなものを設定する。

まず、選挙権年齢引き下げの時間軸を横に取る。すなわち、第1のフェーズは「選挙権年齢引き下げにむかう局面」である。第2のフェーズは「選挙権年齢引き下げの立法過程ないし決定過程の局面」である。第3のフェーズは、「選挙権年齢が引き下げられたあとの局面」である。

これらの3つのフェーズを設定したうえで、縦の軸では、それぞれのフェーズにおける制度の状況や政治的アクターの行動を明らかにしていく。政治的アクターとしては、「政治家」と「国民」政治的アクターの行動を見ていくこととする。


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